~Snow White~『ニ巻』

「送っていくよ。」


竜平は夏絵の制服のブレザーを
着せた。


「トモにも久々に触れたいし……」



夏絵は竜平がとめるボタンを
じっと見ていた。


「大丈夫?まだ痛む?」


夏絵は首を振った。


「なんだか……夢みたいで……
私の大事なものを大好きな人に
あげられて女の子として
とても幸せだって……」



「俺もへたくそだからごめんな。」



「そんなことないもん。
うれしかった、夏絵が初めてだったって。
リュウの初めてを
夏絵もいただけて…幸せ。」


「いただけてって……」


「もっと、もっと知りたい。
リュウに教えてもらいたい。」



「バカ、そんなこと言ったら
また制服脱がすからな~」

必死でコートを着せる。


真っ赤に染まったシーツを二人で
見ていた。


「シーツ買ってこよう~
まずいもんな~」

そう言って夏絵の額にキスをした。


 戻れない・・・・・


もう利香への後ろめたさはなかった。