~Snow White~『ニ巻』

「違うよ、家族に見えたのは
俺がおまえを一目見て気に入っただけ。
おれのかあさんは、病気だった。
かあさんが苦しんでいる時
父は、おまえのかあさんに会いに行った。
かあさんが生きてる時から
おまえのかあさんは
このポジションを狙ってたんだ。
若い肉体を使ってさ。
俺は五歳だったけど……
かあさんの顔は忘れても
苦しんでるかあさんと
泣いているかあさんしか覚えてない。
父はそんなかあさんを捨てて
おまえのかあさんと
早く死ねばいいのにって言いながら
会ってたんだ。」



「痛いって・・・離してよ・・・」


白い手首が内出血していた。



「あ、ごめん、痛かったな。」



「かあさんが死んですぐ
おまえたちは屋敷にやってきた。
籍を入れたのは一年後だったけど
かあさんのものを全て捨てて
新しい家具を入れて・・・
おまえたちはすぐやってきたんだ。
お手伝いのおばさんたちが言ってた……
おまえのかあさんのこと……
そのうち、きれいにした屋敷から
かあさんについていた
お手伝いさんをみんな解雇した。
大きくなってから
あの時のお手伝いさんに会ったんだ。
知らなかったこと
みんな教えてくれたさ・・・・
幼すぎてわからなかったことが
パズルがはまるように
解決していくんだ~まじに楽しかったな。」


冷たい目・・・・
稔の恨みの深さがわかった・・・・