～Snow White～『ニ巻』

三原という料亭の個室に案内された。

「大槻さま、いつも
ごひいきにありがとうございます。」


店の女将らしき人が
挨拶にやってきた。


「女将は相変わらず美しいな～
こっちにきたらここに来ないと
始まらないから。
あ、妹の利香、
いつも女将にはこっちに来ると
世話になっているんだ。
そうそう、女将の息子さんも今年
中学受験だよね？」


「ま、妹さん！？
おキレイな・・・・色白でうらやましいわ。
聡は、もう勉強もせずになんだか
ものつくりに夢中で……変わってるんです。」
女将は母親の笑顔だった。



「利香です。よろしくお願いします。」



「お兄さんにはいつも
ごひいきにしてもらってて
こちらこそよろしくお願いいたします。
当店自慢のお食事お持ちいたします。」


部屋の外に待機していた
着物を着た女性たちが
次々と食事を運んできた。


「何かございましたら
インターフォンで連絡下さいませ。
ごゆっくりとお過ごしくださいね。」


静かにふすまを閉じた。