~Snow White~『ニ巻』

「どうしてあなたが来たの?」


「さっき言っただろ?」


「嘘よ、おかあさんから聞きだして
きたんでしょう?」


「こっちにも用事があったんだ。
今度こっちに支社を出すつもりで
土地を見に来たんだ。」


「私は就職する。
大槻にしがみつかないから。」


「父だって大学に行かせたいって
おかあさん言われてるみたいだよ。
これからは俺だけどね。」


「戻らないわ。
雪が好きなの。」



迎えの車に無理やり乗せた。


「ちょっと、どこに行くの?」


「話しないと・・・・
いろいろさ・・・・・・」



「話なんてない。」



「おかあさんのこと聞きたくないか?」



「あんたが鬼っていう話?
悪魔?死神?変態?」



「まあな・・・・
とにかく話そう・・・・」


「ふたりっきりは絶対いやよ。」

稔は穏やかに笑う。

この落ち着き払ったとこがイヤ・・・・