~Snow White~『ニ巻』

「ありがとうね。
洋ちゃんのおかげで……
また帰ってこられた。」


「どういたしまして。」


「私、いやな女でしょう。」



「なんで?」



「だって、洋ちゃんに甘えすぎ…
彼氏に言えないことも
洋ちゃんに先に話してしまったし…
今回も彼氏の役してもらったり…」



「竜に話したの?」



「うん、私ね…怖いんだ……
キスから先が怖いの。
それで竜ちゃんをずっと傷つけて
我慢しようと思っても
こんなに好きな人なのに
兄に見えてくる……
だから竜ちゃんは待ってくれるって
言ったけれど……
なんだか不安なんだよね。」



「正直だな・・・
子供もことも?」


「それは言えなかった……」


利香は笑った。