意識は29歳のままでも、体格と腕力は"弱虫ヨッチャン"のままだった。
俺は、タケシにあっけなくやられてしまった。


「オハヨー。あ、ヨッチャンひざどうしたの?」
「血でてるー」
「またタケちゃんにやられたの?」


教室に入るとクラスメートたちが寄ってきた。
心配しているのではなく、面白がっているんだ。


「何でもないよ」と、やじうまの手をはらう。

タケシも教室へ入ってきた。
勝ち誇った顔が、また憎たらしい。

チクショー、今にみてろ!
いつまでもガキになめられてたまるかよ!

と心で叫び、俺は自分の席へと……



…あれ?席ってどこだ?