それでハッと思い出した。
そうだ!超人気ゲームのシリーズ最新作『ドラグエ4』!

タケシに無理やり貸さされて、それっきり戻って来なかった。まだ買ったばっかりだったのに!

俺は怒りがふつふつと込み上げてきた。

当時はでっかくて恐かったタケシも、あらためて見ると単なるガキんちょじゃねぇか。

こんなのにビビってたのかよ、俺!

なんだか今なら勝てそうな気がする。


「やだよ」

「え?なんだって?」


予想外の俺の返事に、タケシはまゆをひそめた。


「いやだ、貸さないって言ったんだ!」


「なんだと!弱虫ヨッチャンのくせに生意気な!」


タケシの顔が怒りで紅潮する。
俺はこぶしを固めた。