「せぇの!1!2!3!」

医療スタッフのかけ声で、俺はストレッチャーから処置台に移される。

「綾野さーん!綾野ヨシツネさーん!わかりますかー!?」

うるさいな…
そんな耳元で叫ばなくても聞こえてるって。

あれっ?
声が出ない。
なんで?

体も動かせない…

いや、それどころか指ひとつさえも動かない。


それに寒い。やけに寒い…

おーい誰か、暖房つけてくれよ。寒くてしょうがないよ。


「ヨシツネさーん!」


俺を呼ぶ声も、だんだん遠くなってきた。


あぁ

そうか…俺


このまま死んじまうのか……