だから恋は少し切ない

 

「しかも名前が書いてなかったりした時なんかもう、怖くて仕方ねえ」


「贅沢者だね、相変わらず」


「うるせ。てゆーか、お前ならわかるだろ?」


「まあね。匿名で置きっぱなしにするなんて、ゴミを棄てるのと一緒だよ」


「……オレはお前ほど、酷い奴ではないけどな」


「……知ってる」


わたしは軽く肩をすぼめて、もう一度ワインを口にした。