悲涙の花びら




長い時間が経ったように感じた。



唇を離した伯爵は再び私を冷たい瞳をで見下ろす。



それから私を起こすとベットに腰掛けて、私を膝の上に置いた。



「伯爵様?」


「君は狡い」



一言そう答えた伯爵は、貪るようにまた私の唇を奪った。

それから直ぐに、乱れてあらわになっている私の太ももに優しく触れた。



「…っ!」



はっと瞳を開けると伯爵は瞳をぎらつかせていた。

普段の彼とは想像のつかない瞳に、私は驚かされた。



伯爵の細くしなやかな手は、迷いなく私の足の付けねに触れる。

ビクリと肩を震わせた私を知ってか、伯爵は唇を離した。



「君には絶対しないと思ってたけど、君を知るためには必要かもね」


「伯爵、さま」


「レイシアだよ、シャレン」


「あの……」


「何?今更止めようって?君は奴隷なんだろう」



矛盾だ、と思った。

余りの都合のよさに驚かされる。