藍蝶を選べば攻略婚。

音真會を選べば仲間を裏切ることとなる。そして、梨音が攻略婚になる。

そんな目にあうなら自分が犠牲になろうじゃないか。

そう思ったのだろう。

それは・・・紫音は、せめて最後修学旅行に行きたかった。


そう思っていた。


そして、着物のまま繁華街を歩いていた。



もう、彼女の瞳は死んでいた。


青蝶だ・・・



もうだれも止められないだろう。



-ドスッ-


『てんめぇ、何処向いてあるッてんだボケが!!!!!』


-ぼこッ-

そして、ソイツの耳元で囁いた。

『殺して差し上げますわ。』


「ひぃぃぃ・・・」


“ソイツ”がおびえるのは当たり前だろう。


なんてったって人間のようには思えない迫力だったから。


梨音と戦った時とは違うまたさらに殺意などが混ざった青蝶のオーラだった。


目からはもう表情が読み取れなくなっていた。


青い蝶も大きな蝶になっていた。それどころかちいさな白い蝶まで出て来たのだ。

もう、周りにいる人間は息もできないほどの恐怖に襲われていただろう。


しかも、今の紫音の格好は藍色の着物といった極道の世界に出てきそうな格好だったから。


髪の毛まで綺麗にされていた。





実家に帰る時はこうしないといけない規則があるから。

実家からの帰りだから。それだけなのに・・・。

みんなみんな私から遠ざかる。

那央、こんな私の姿見たら離れてゆくでしょうね。





・・・・と、思いながら紫音は道行く不良どもを殴った。

その姿をまさか見られてたとは知らずに。