日曜の夕方。
一つ大きな通りに出れば、荒む風から逃げるように身体を寄せ合う男女でごった返していた。
所々で携帯をいじりながら誰かを待つ若者たち。
当たり前だけど、私がいまどんな気持ちでいるか何て誰も知らない。
ビルの下に立っていた女の子が急に笑顔になった。
すると向かいから一人の男性が駆け寄り、身体を寄せ合いながら私の前を通り過ぎていく。
私は
あんな笑顔を透に見せていただろうか。
いつも透に求めるばかりで
私は何も与えられてなかったんじゃないか。
吹き付ける風が
私にだけ冷たい気がした。
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