歌い終わると奈未は、深くお辞儀をした。
歓声と拍手とグループ名を呼ぶ声が交差する
1つ 夢が叶ったと実感した瞬間だった。
最後まで歓声と拍手が響き、裏へいってもそれは聞こえた。
控え室に戻るとマネージャーがいた。
「成功のようね」
その一言に、きょとんとしていた奈未の目から涙が溢れた。
「やったぁぁー」
奈未は泣きながらマネージャーに抱きつく
僕は、椅子に座りギターをしまった。
「あらぁ相変わらずクールね雪斗は。」
「クールじゃないですよ。夢か現実かわからないほどで」
「現実だよっ!凄かったじゃん!」
「そうだな」
そう一言 かけると奈未は、急に耳を押さえてふらついた。
「奈未っ」
慌ててかけより奈未を支える。
「ちょっと、大丈夫?」
マネージャーも心配そうに声をかけた。
「大丈夫。」
そう言って 机につかまり、身体を自力でおこした。
「良かった。きっと大きい会場で歌ったから力の入りすぎと、耳慣れしてなかったんでしょ」
「そうかもしれないです」
今回で2度目だから、少し心配にもなったが無くはない出来事。
会場に耳慣れしていなければ、最初はあの大きいサウンドに目眩がする。
昼間で野外でも一応照明も使っているから
暑さも増すし。と考えて見守った。



