「ひとりで遊んでろ」
そう言い捨ててクルッと向き直りさっさと家へ向かった。
まじふざけんじゃねー
何あいつ超煩わしい。
マンションの玄関ホールでイラッイラしながら
エレベーターを待つ。
――ウィーン。
扉が開いたその瞬間‥
「‥んっ」
黒髪の女の子が男から
唇を離し、
「‥15点。」
くすっと馬鹿にしたように笑って中からでてきた
彼女がちらっと横に視線を投げ掛けたとき、
あたしと目が合ってしまった。
「やっだ~見られちゃったぁ。」
「偶然見ちゃって。ごめんねー」
「ま、いっか」
そう言ってスタスタ玄関ホールを出ていく彼女の背を見送り、
はっとした。

