――こいつとあたしは 似てるなって思う。 "不器用" それがあたし達に一番ぴったりの言葉だ。 例えば幼稚園のとき―― 圭矢とあたしの家族いっしょに動物園に来ていたときも。 ペンギンを見るのに飽きたあたしはライオンの方に行きたくて。 でもなんか言い出せないんだよね、 「~したい」とかを言うのがなんか苦手。 でも同じくライオンを見たかったらしい圭矢は 「ねぇおかあさーん。ライオンみたい~!」 こいつ‥ あたしが素直に言えないことをヘラッとした顔でふつーに言いやがった。