“ただの気まぐれ”



“ストーカーだね?
はっきり言って、気持ち悪いよ”



これが本当…。



本当の…植野先輩…。



「だから言っただろ、俺は嘘はつか……」



顔を覗きこんできた獅堂先輩の口が
止まった。



「………泣いてんのか?」



「え……………」



先輩と目を合わせた瞬間、
あたしの頬を冷たい涙が流れた。



慌てて涙を拭いた瞬間、



「………っ…!!」



獅堂先輩が走り出した。



「…獅堂先輩?」



不思議に思って追いかけると、



「きゃああああ!!!」



先輩が走って行った方から
女の人の叫び声が聞こえてきた。



驚いて駆けつけると、
地面に倒れこむ植野先輩に
獅堂先輩が殴りかかっていた。



「獅堂先輩!?」