君に染まる(前編)



獅堂先輩がどんな人なのか
だんだん分かってきた気がする…。



俺様で…ナルシストで…自分勝手で…。



ほんと…
とんでもない人と関わっちゃったな…。



「…って…何してるんですか!?」



あたしがぼーっとしてる隙に
ブレザーのボタンを外す先輩。



「ムカつくからここでヤる」



「ヤっ!?って、ちょっ…」



「何?また拒否んの?」



睨んでくる先輩の目は
「これ以上拒否ったらまじで許さねぇ」
って言われてる気がして、



「ほ、放課後っ」



ついそう言ってしまった。



「放課後に…何かお詫びしますから…」



「………分かった」



不機嫌そうにあたしから離れた先輩。



「じゃあ放課後、部屋に来い」



「部屋?」



「講堂の横にある建物だよ。
来たことあんだろ」



講堂の横…。



「…VIPルームのことですか?」