君に染まる(前編)



真剣に叫んできた。



「なのにお前はあんな奴に惚れて…
いいか!?
中学からの知り合いだか知らねぇけど、
俺と出会ったら
俺に惚れるのが普通だろ!?」



は、話が見えない…。



「まあ…惚れるとまではいかなくても、
あいつのキスは許せて
俺のキスは許せないなんて
絶対ありえねぇ!」



“俺の方がいい男だろ!!!!”



“なんで俺のキスは拒んで
あんな奴のキスは受け入れんだよ!”



まさか…先輩が今朝言ってたことって…。



「あの…昨日邪魔してきたのって…
先輩よりも植野先輩を選んだから…
ですか?」



おそるおそる聞くと、



「当たり前だろ。
あいつの前でだけにこにこしやがって」



あっさり認めた。



そいうことか…。



先輩は、
何もかも自分の思い通りにならないと
許せないんだ。



やっぱり…お金持ちだから?



「なんだよ、文句あんのか?」



「文句っていうか…」



呆れてるというか…。