そう言うと、
あたしをかついで歩き出した。
「なんなんですか!?」
誰もいない非常階段に連れてこられた
あたしは、
降ろされた瞬間声をあげる。
「俺のこと拒んどいて
あんな奴に愛想ふりまいてんじゃねぇよ」
愛想なんてふりまいてないけど…。
「まだこりてねぇんだな…
あいつはお前の思ってるような
奴じゃねぇって言っただろ」
「そんなこと…
獅堂先輩に言われたくありません」
「…まじバカ」
そう言うと、
あたしのあごを掴み
くいっと上を向かせた。
「よく見ろ、俺の顔」
…え?
「あいつとどっちがかっこいい?」
「…は?」
「どっちがイケてる?輝いてる?」
頭がついていけないあたしをよそに、
「間違いなく俺だろ!」



