吐き捨てるようにそう言った先輩は
荒々しくお店を出て行った。
「先輩っ!」
後を追ってお店を出ようとすると、
お店に入ってきた楓ちゃんにぶつかった。
「未央!」
「楓ちゃん…どうしてここに・・・」
「大丈夫!?
獅堂先輩に殴られてたみたいだけど」
「大丈夫だけど、なんでそのこと…」
そう言いかけた時、
続けて美紅先輩も入ってきた。
「楓ちゃん、ダメだった。
創吾のやつキレてて聞く耳持たず。
あたしの話なんて無視して帰っちゃった」
「そうですか…
あ、未央はたいしたこと無さそうですよ」
「そっか、良かったあ…
ごめんね未央ちゃん、怖い思いさせて」
「え?あの…」
2人の会話についていけず
言葉をつまらせていると、
そんな様子に気付いたのか
美紅先輩が口を開いた。
「未央ちゃんが出て行ったすぐ後に
創吾が来たの」
「来たって…家にですか?」
「うん。
未央ちゃんを迎えに来たらしくて、
ピアノ教室に行ってるって言ったら
案内しろって言い出して、
それで連れてきたんだけど」



