「だって未央、
勝負下着なんて持ってないでしょ?」
「あ、当たり前でしょ!?」
「ほらあ。だからさ、買いに行こう?
獅堂先輩喜ぶと思うよ~?」
そう言いながら
楓ちゃんがにやにやしていると、
Plululu~♪
あたしの携帯が鳴った。
「買いに行こう!」という顔で
あたしを見つめてくる2人に
必死に顔を振って否定しながら
携帯を開く。
「もしもし」
『あ、もしもし?堀河だけど』
「あ、はい。なんですか?」
『さっきレッスン室の掃除してたらさ、
見たことない楽譜が
ソファーの下に落ちてたんだけど、
未央ちゃんのじゃないかなって思って』
「楽譜?」
『ほら、彼氏くんの為に作ってた曲の』
堀河さんの言葉に
慌ててファイルを開いた。
あ…最後の一枚が無い。
「それ、たぶんあたしのです」
『やっぱり未央ちゃんのか。
でさあ、届けてあげたいんだけど
今手が離せなくて…
良かったら後で届けようか?』



