君に染まる(前編)



「明日が大丈夫なら今日でもいいだろ」



う…そう言われると言い返せない。



「…どうしても明日がいいんです」



「なんで?」



「え?えっと…」



理由を話すのは
ちょっと恥ずかしいんだけど…。



質問に答えられないでいると
先輩が諦めたように呟いた。



「……分かった」



うつむいていたあたしは顔を上げた。



「明日までは待ってやる。
…その代わり覚悟しとけよ」



「…覚悟?」



首をかしげるあたしを
先輩はじっと見つめる。



「散々待たされたんだ…
『嫌だ』は認めねぇからな」










「『覚悟しろ』に『嫌だは認めない』…
やっぱそういうこと?」



「ただ単に『これ以上は待たない』って
意味かもしれませんよ?」



「でも…あの創吾だよ?
絶対なんか企んでるって!」