「お待たせー…って、何やってんの?」
飲み物を買いに行っていた楓ちゃんが
あたしの側に駆け寄ってきた。
「ん?…ああ、明日だっけ?
獅堂先輩の誕生日」
スケジュール帳を覗きこむ楓ちゃんに
小さくうなずく。
「あれ以来連絡してこないなんて…
獅堂先輩何考えてんだか」
「きっと忙しいんだよ」
「もう…未央は物分かり良すぎ!
もっとわがままになりなよ」
わがままって言われても…。
返事に困りなんとなく苦笑いを浮かべ、
楓ちゃんと一緒に校舎から出た。
そのまま正門に向かおうとすると、
あたしとは反対に向かう
楓ちゃんに気付き足を止めた。
「楓ちゃん?門こっちだけど」
そう呼びかけると、
楓ちゃんも気が付き振り返る。
「ん?…あれ?未央帰るの?」
「え?帰らないの?」
「だって、VIPルーム行くでしょ?」
VIPルームって…。
「今日も行くの!?」
「昨日はバイトで行けなかったもん」



