「宝石…」



「まあ、仕方ないよ。
未央ってそーいうのうといもんね」



「…ホントに受け取って良かったのかな?
返した方がいいんじゃ…」



「何バカなこと言ってんの!
獅堂先輩が勝手にくれたんだから
黙って貰ってればいいの。
ってかそんなの先輩に失礼だよ」



「そうなんだけど…」



なんか…申し訳ないな…。



「ってかさ…
そのアルファベットの意味って
なんなんだろうね?」



「え?」



「だって、未央のイニシャルは"M"だよ?
なのに先輩のイニシャルがついてるなんて
すっごい意味深じゃない?」



確かに、そう言われてみれば…。



「あたしの予想だとー…
『俺はいつも側にいる』って感じ?」



「えー……?」



あの獅堂先輩が
そんなロマンチックなことするのかな…。



そう思いながら、
妙ににやにやしてる楓ちゃんに
首をかしげる。



「まあ、
本人に聞くのが一番手っ取り早いかな?」



そう言って、
いつのまにか到着していた
VIPルームの扉をノックした。