いつも以上に弱弱しいその声に
変に焦ってしまう。
「好きな女に無理させるなんて、
俺最低だな…」
「あの…
そんなに心配しなくても平気ですよ?」
気分が悪いって言ったって
ただの乗り物酔いだし…。
「我慢すんなって」
「我慢とかじゃなくて本当に…」
「もういいから」
必死になるあたしをなだめるように、
あたしの頭を優しくぽんぽんと叩く。
「しばらく休んでろ。
これ以上お前の青い顔なんて見たくねぇ」
あ、青い?
先輩の言葉に思わず頬を触る。
自分では平気なつもりでも、
先輩から見たら
無理してるように見えたのかな…。
これ以上先輩に心配かけられないし、
早く元気になろう。
そう思いながら
ジュースに手を伸ばした時、
先輩があたしに寄り添うのを感じた。
ジュースから先輩に視線をうつす。
………寝…てる?
気持ち良さそうに寝息をたてる姿に
思わず笑みがこぼれる。



