先輩は年上な分、
あたしよりずっと大人だと思ってた。
けど、学校では見たことの無い一面…
初めて見た一面。
「先輩の子供っぽいところが見れて
なんだか嬉しいです。
それに、ちょっと得した気分…」
「なんだそれ?
んなこと言われたって嬉しくねぇよ」
「先輩は嬉しくなくていいんです」
「そーいう問題じゃ……
あーもういい、わけ分かんねぇ」
大きなため息をついた先輩は、
あたしの肩を引き寄せた。
「つーか、さあ…あれだ…その…
自分勝手にお前を連れ回して悪かった…」
「え?」
急に話が変わり、
ぽかーんと口をあける。
「今思えば、
俺の乗りたいものばっかで
お前は楽しめてたのかなって…」
「あたしは別に…」
「もう1つ」
そう言うと、
肩を掴んでいた先輩の手が
あたしの頭に触れた。
「少しアトラクションに
はまったからって、
お前の体調に気付けなくて…悪かった」
優しい声。



