「話?」



「星条文化祭のジンクスだよ。
美紅の話だと、そのジンクスは伝統で、
毎年必ず何人かは実行してるって。
けど、それだと未央の話と噛み合わねぇ」



確かに…ジンクスの内容を考えると
実行するには花火が必要。



トラブルが起こる前の昔ならともかく、
花火が中止になった今じゃ
やりたくても出来ないはずなのに…。



つじつまが合わない話に
2人して首をかしげていると、



「おっ邪魔っしま~す♪」



美紅先輩が部屋のドアから
ひょこっと顔を出してきた。



「お?この雰囲気…うまくいったの?」



「は?いきなり何を…」



「やった!じゃあ作戦大成功ってわけ?
良かったね、未央ちゃん♪」



獅堂先輩の言葉をさえぎり、
嬉しそうにあたしの手を握った。



「さ、作戦って…なんですか?」



「創吾と未央ちゃんをくっつける作戦♪」



…くっつける?



「結構大変だったんだよ?
創吾ってジンクスとか信じないから
ノリ悪くてっさ。
だからって普通に告らせるのは
あたし達がつまんないでしょ?」



そう言って笑う美紅先輩に
あたしは苦笑い。