君に染まる(前編)



「ちょうど美紅に会ったから預けてきた。
早く戻ってきたかったし」



「それってどういう…」



そう聞こうと思った瞬間、
先輩の顔が突然近づいてきた。



間一髪で顔をそらしたけれど、
次の瞬間にはあごを掴まれてしまい
逃げきれず唇が重なりそうになった
その時。



目の前から先輩が消え、
代わりに現れた人。



「そ~~う~~ご~~!!!」



ものすごく怒った口調で
先輩の首を腕で締めつけてる美紅先輩だ。



「女の子に無理やりすんなって
あれほど言ったでしょうがあ!!!」



「いててっ!は、離せ美紅!」



苦しそうに腕を叩く獅堂先輩に
美紅先輩は腕をゆるめた。



「いい加減学習しなさいよね!?」



首をさする獅堂先輩にそう怒鳴る。



「美紅、てめぇ…邪魔すんな!」



「人聞きの悪いこと言わないでよ。
“救出”って言ってくれる?」



「何が救出だ!未央は俺の女だぞ!」



「はいはい、分かった分かった」



興奮する獅堂先輩を軽くあしらうと、
クローゼットの中から
スカートを取り出した美紅先輩。