君に染まる(前編)



ドアの開く音が聞こえ
反射的に振り返った。



「!!??」



振り向いたあたしの目に映ったのは、
ドアのところであたしを見つめる
獅堂先輩。



慌てて近くにあった服で体を隠した。



「あ、あの…
スカート見つからなくて…
まだ着替えてないんです…だから…」



「いいじゃん、そのままで」



そう言った先輩は
必死に体を隠すあたしに近づいてきた。



逃げ道の無いあたしは
そのまま後ろに下がることしか出来ず、
最終的に壁に追い込まれた。



「せ、先輩っ」



「何?」



いや…何?じゃなくて…。



「あ…スカート、どうしたんですか?
学校の外に出たにしては早すぎじゃ…」



「誰が学校の外に出たって言った?」



「え?でも…」



「クリーニング店ぐらいⅢ類にある」



…学校の中にクリーニング店…
さすがⅢ類…。



「それにしても早すぎなんじゃ…」