そこはウォークインクローゼットで、
あたしを降ろした先輩は
真面目な顔で口を開いた。
「脱げ」
「はい!?」
「クリーニング出してくる」
あ…そういう意味…。
「でも…クリーニング屋さんじゃ
こんなの扱ってもらえないんじゃ…」
「いいから脱げ。
ほら、こうしてれば見えねぇだろ」
そう言ってあたしに背を向けた。
確かに見えないけど、
そういう問題じゃ…。
「…あの…外に出ててもらえませんか?」
「あ?」
「お願いしますっ」
背中越しに頭を下げながら
先輩の体を外へ押し出すと、
「…ったく…」
文句を言いながらも外に出てくれた。
2人っきりの密室で
スカートなんて脱げないよ…。
1人になってもやっぱり恥ずかしくて、
少しためらいながら
スカートを脱いだあたしは、
ドアを腕が通るほど開けて
スカートを持った手を外に出した。



