「うるせぇな、
文句言ってっと手当てしてやんねぇぞ」
不器用な手つきで乱暴に包帯を縛ると、
足の消毒にとりかかる先輩。
消毒液をかけられたひざからは
足全体にじーんと痺れがまわる。
「…悪かったな、
こんなケガさせちまって」
痺れに耐えていたあたしに
絆創膏を貼りながらふと呟いた。
…なんで先輩が謝るの?
そう思いながら
手当てをする先輩を見つめていると、
「あ」
包帯を巻く手を止め、
なぜかあたしのスカートを掴んできた。
「な、なんですか!?」
「破けてる」
「え?……あ」
先輩が掴んでいるとこを見ると
確かに少し破けていた。
倒れた時に破けたのかな…
まあ、これくらいなら
お母さんに頼んで直してもらえば…。
そう思った瞬間、
ソファーに座っていたあたしは
先輩に抱き上げられ宙に浮いた。
「先輩!?」
驚くあたしをよそに
ソファーの後ろのドアを開けて
中に入った先輩。



