「…なんでいんだよ」
「別に…いちゃ悪い?」
のんびりとした口調の芹澤先輩を
睨みつける獅堂先輩。
獅堂先輩…なんか怒ってる?
変な空気に1人戸惑っていると、
いきなり獅堂先輩に抱き上げられた。
「せ、先輩!?」
「黙ってろ。血ぃ出てる」
血?…わっ!
視線をうつしたひざから
かなりの血が出ている。
倒れた時に足もすってたんだ…。
それに気付いてしまうと
痛みも倍増するというもので…
すごくヒリヒリしてきた。
「分かったか、大人しくしてろ」
ひざから顔をそらしたあたしは
黙って言うとおりにした。
「先輩…下手です…」
VIPルームに運ばれたあたしは
獅堂先輩に手当てをしてもらっていた。
絆創膏がはがれないようにと
包帯を巻いてくれたのはいいんだけど…
見事にぐちゃぐちゃ…。



