この手を離さない

「いいえ。私も今日は予定があるので…」



予定がある…か。



そう言ってる割には淋しそうな顔してるように見えるのは、俺の勘違いだろうか?



シロに“またね”と声を掛け、リビングの扉へ向かう真白に声を掛けた。



「また明日来るよな?」



「はい。」



笑顔と一緒に返事を聞いてホッとした。



まだ俺には時間が必要かも知れないけど、



真白と毎日会いたい気持ちがあるんだ。



もう少し真白を知りたい。



もう少し俺の事を見てて欲しい。



そう思うようになった。



靴を履き終えこっちに振り向いた真白に俺も笑顔を見せる。



そして自然に真白の髪を触った。



「気をつけて帰ろよ。」



「はい。じゃ、さようなら」



玄関の扉を開け出て行く彼女と入れ代わるように誠一が玄関へと入って来た。


真白は誠一に軽く会釈をして去って行く。



誠一も釣られて会釈をしたが、視線は真白の方を向け、何か難しい顔をしながら話してきた。