すると、なにやら息をついて由宇がこちらに戻って来た。
「…ん」
「…?」
由宇は右手をあたしの前に差し出した。
「ほら」
……これは、もしかして…!!!?
「…手、つなぎたいんだろ?」
なんでわかるんだろう…。
あたしは涙が込み上げてきて、ズズと鼻をすすった。
震える手でそっと由宇の手に触れる。
由宇はその手を握り、あたしを側に引き寄せた。
本当に、由宇は優しいなぁ…。
頬を染めながら由宇をチラリと見た。
「朝からお熱いこと」
突然言われてあたしはそちらを見た。
「さくら!蒼依!」
そこには朝からニヤニヤ笑っている二人がいた。
