Another☆Story







すると、なにやら息をついて由宇がこちらに戻って来た。





「…ん」





「…?」





由宇は右手をあたしの前に差し出した。





「ほら」







……これは、もしかして…!!!?






「…手、つなぎたいんだろ?」









なんでわかるんだろう…。





あたしは涙が込み上げてきて、ズズと鼻をすすった。





震える手でそっと由宇の手に触れる。





由宇はその手を握り、あたしを側に引き寄せた。







本当に、由宇は優しいなぁ…。






頬を染めながら由宇をチラリと見た。










「朝からお熱いこと」






突然言われてあたしはそちらを見た。





「さくら!蒼依!」






そこには朝からニヤニヤ笑っている二人がいた。