結婚の約束………? …………そんなことしたっけ? あまり、というか、ほとんど記憶にないのできょとんとしていると、真はあたしの顔を覗きこんだ。 「どうしたの、奈央子。 …まさか忘れたとか言わないよね?」 表情を読む天才な真はすぐに図星を言い当てる。 「…えっとーー…」 すると由宇はあたしの肩を抱いて引き寄せた。 「わっ…」 「覚えねぇってよ。 これで結婚の話は無効だな」 由宇は薄ら笑いを浮かべると、真は負けじと笑い返した。 「じゃあ、奈央子が思い出したらその約束は有効なんだね?」