――――ピチャ ―――――――ピチャ 「………ん」 小さな雫の音に目を開ける。 目に映ったのは自分の下半身と、石で出来た地面。 ―此処は、 「いたっ…」 手首に軽く痛みが走り、思わず顔をしかめる。 反射的に手を見ると壁に埋もれた鎖によって拘束されていた。 動かしてもビクともしないのはきっと魔王の力が鎖に入っているから。 それを証明するかのように、鎖には札が貼ってある。 「なんで、こんなとこに…?」 .