なんて呆気ない。 結局俺は何も出来なかった。 目の前にいたのに、手を伸ばしても届かなくて。 「ははっ…」 ガタッと床に座り込む。 ズキズキと痛む手は未だに血が流れていて、目から溢れる涙と交わっていた。 それが余計に現実を思いさらされて、 「くっそ…!!!」 ガンッ!!!と床を殴りつけても何も起こらなくて、 夕日だけが俺を染めていた…―。 .