真っ暗で、大きな部屋。


その中心にロングテーブルが置いてあって、蝋燭で光を保っている。





「やっと来たのか」





上座に座ってワインを飲んでいるのは魔王。


以前よりは雰囲気が柔らかく感じた。






「はい、ここに座ってね」


「…うん」






施されたのは魔王から見て右側。


カタ、と椅子に座ると綺羅は私の正面に座った。





「嫌いな食べ物はない?」


「…茄子」


「安心しろ、茄子は使ってない」





この状態で茄子とか言える私は大丈夫だろうか。


でも茄子はないらしいし、ちょっと安心する。





「わ、」






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