そんな私に気付いたのか、こつん、と頭を叩かれる。




「あたしな、キメラになってあいと会ったやん?」


「うん…」


「ちゃんとあいって認識してたから」


「え?」





顔を上げ、悲しそうに笑う栄子の顔が目に映る。


…認識してた?





「どんな姿になっても、理性を失っててもあいが泣いてんのわかってた」


「……………」


「泣き叫んで、綺羅って奴に切れて優羽君に縋ってたやろ?」





確かに私はあの時優羽に縋ってた。


天使やから栄子を蘇らせてって、生き返らせてって…。




「あたしはあいを恨んでないよ、むしろ大事にされてたって実感できた」


「栄子…」


「嬉しかったんやで?本間に」






その瞬間、涙がポロポロ流れた。


そんな私の頭を撫でながら栄子は困ったように笑って、





「あいは悪くないよ」





そう言って抱き締めてくれた。






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