「悪いのは神だ、大切なあいを奪った」
「何を…言ってんの?」
「早く俺の元に帰ってきてよ、お願いだから」
ブツブツと呟くその姿はいつも綺羅じゃない。
綺羅の全てを知っているわけじゃないけど…おかしい。
「綺羅、そっちには行かない」
「あい?」
「うちはもう、優羽の女やから」
綺羅に聞こえるように、はっきり告げる。
逸らさぬようにしっかりと綺羅を見ながら。
「そうやって俺を置いていくんだ…」
「綺羅?」
「じゃあ…死ね!!!」
瞬間、綺羅の背中に羽が生える。
まるで血管が浮いているかのような黒い翼。
「あく、ま…?」
漫画に出てきそうな悪魔の姿。
思わず足が一歩下がった。
「あいが…あいが悪いんだ!!!」
そう言って地面に魔法陣を浮かべる。
そして春に目をやり、手をかざす。
すると春の体は宙に浮いて綺羅の元へと到達した。
「ちょっ…やめっ!!!」
嫌な予感がして走りだす。
その間に綺羅は鴉を一羽掴んで、春と鴉を魔法陣の上に乗せた。
「綺羅…まさか!!!」
「見てな、キメラはね」
「やめてぇぇ!!!!」
「こうやって造るんだよ」
瞬間、魔法陣は黒い光の柱を作る。
私は目を見開いたまま動けなかった。
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