満ち足りない月





「なるほどね」


セシルは気にしないようなフリをしてそっけなく答えたが、心の中ではその意味について深く考えていた。

屋敷には誰もいないって言っていたけれど、ご両親はやっぱりいないのかしら……


更にまた考えようとした時、それを遮るかのようにラルウィルはいきなりフッと笑った。

「ま、そういう事だ。散々ヴァンパイアの事を説明しといて正真正銘の本物じゃなくてすまなかったな」


優しそうにこちらを見て申し訳なさそうな顔をするラルウィルにセシルの心臓は跳ねた。

急に頬が紅潮する。

セシルは思わず顔を背けた。


「いいわよ、そんな事」

あくまでそっけなく答えた。