満ち足りない月





そのまま俯いて黙りこくっていると、ラルウィルの視線を感じた。


「エル」

何度もその名前を呼ぶ彼に本当の名を言いたかった。

呼ばれたかった。


そう思うのは自らのずるさか。



セシルはそれに答えず下を俯き続けたが、沈黙は長くは続かなかった。


やがてラルウィルが話し出した。


「俺も君に隠している事がある」