「俺はヴァンパイアだ。それを、分かっているだろう」 一息おいて強調された“分かっているだろう”という言葉に心臓が跳ねた。 その優しい、けれど悲しそうな表情が何を言いたいのかわかっていた。 けれど知らないフリをしていたかった。 それはセシルの思いだ。 だから何も言わない。 ――わがままな女よね。 セシルは心の中で自らに笑いかけた。