満ち足りない月





今にも消え入りそうな声でそう言った。

しかしラルウィルは尚も歩き続ける。


「気にするな。俺も長い長い一人暮らしで寂しいしな」

ラルウィルはフフッと軽く笑って答えた。


違う……。私が言っているのはその事じゃない。



「違うの」

また自然と言葉が出た。少し震えた声。

言うか、言わまいか、そう考える前に言葉が出た。


「私、本当は…」


「エル」


ラルウィルは急に立ち止まり振り返った。

しかしその表情は優しく、名前を言った時のキツい口調とそれは全く合っていなかった。