この気持ちが何なのかは分からない。
けれど今までに感じた事のない感情なのは確かだった。
―――私はこの感情が治まらなくなった時、自制出来るのだろうか。
次に襲ってきたのはぞくっとする程の寒気。
でもそんな事になれば、またいつものように自分を押し殺せばいいんだ。
セシルは昔のあの日々を思い出しながら思った。
ラルウィルは何も話そうとはしなかった。
ただ静かにセシルに先向けて、淡々とした少し早足で歩いている。
セシルは俯き加減になりながらちらちらと上目でラルウィルを見る。
しかしその背中も、景色さえも変わろうとはしなかった。
森自体に色がなかった。
また寂しいくらいの闇の姿へと変わってしまったのだ。



