「とにかくあの女が何か隠してんのは確かだろうが俺達にはないかもしれない。見つけたら少し問い詰めるぐらいでいいだろう」
「分かりました」
若い男の落ち着いた声が聞こえる。
「取り敢えず早いとこ報告しにユーラに戻りましょうよ。“奴”はここにはいませんでしたって。何だか薄気味悪すぎですよ、この森」
先程とは違って若い男が不安げに声をあげる。
「ああ」
低い髭の男の声が上から降ってくるとサクサクと音がしてその音がどんどん遠ざかっていく。
「“エドガー”の野郎怒るだろうな…」
髭の男には聞こえないようにポツリと呟いて溜め息を漏らすと、すぐ近くで聞こえた若い方の男の声も草を踏みつける音とともに遠くなっていった。



