満ち足りない月





ごくりと生唾を飲み込み、男達の会話にまた耳を傾けた。


「じゃあ何でさっきの女が“奴”と関係があるって思ったんですか?」


若い男の声に心臓が飛び跳ねた。

私の事だ……



「――勘、だな」


「勘?」


男は不機嫌そうに尋ねる。納得がいかないようだ。


「それに」

そんな若い男の反応に気がついたのか髭男は付け加えて言った。


「何でこんな森で人と待ち合わせるんだよ」

嘲笑するように髭の男の声が聞こえた。


するとセシルの顔も段々と火照ってきた。

とっさでああ言うしかなかったのよ、と心の中で言い訳を言ってみたりする。