「黒い服…だと?」 ポツリとそう呟くように言うとラルウィルは何かを考えるような素振りを見せた。 「―――!」 ふいに目を見開くと、いきなりセシルに覆い被さった。 驚いたセシルは何かいいかけたが、すぐに手で口を塞がれた。 そして静かに聞こえるか聞こえないかのような大きさで囁いた。 「“何か”来る」