あの人達から慌てて逃げるようにこの森に来たものの、どんどん辺りは暗くなっていくし、だんだん薄気味悪くなってきた。



考えてみれば泊まる所が決まっていないのだ。


こんなところに家があるはずもないし…



セシルは恐怖や後悔を抱きながら森を歩いた。



もう夜だ。

なのに泊まる所がないだなんて。



今日はこんな所で泊まるしかないのだろうか。


セシルはちらっと横目で森を見渡した。



薄暗い森。


どこに何がいるのかも分からない。こんな所にいたら明日まで生きていられるのだろうか。


途端に体がブルッと震えた。



夜は冷える。


体も段々凍えるように冷たくなってきた。腕をさすりながらセシルは体を体を曲げて歩いた。



しかし体がガタガタと震えるのはきっと寒さのせいだけではない。