満ち足りない月





「吸血鬼の平均寿命は1000を超えるぞ?」


へぇ、凄いんだ。吸血鬼って。

セシルは関心してしまった。


「でもな、そう楽な事ばかりじゃないんだぞ。生ける事の出来るモノ達は何もかも生けるというだけで条件付けられる」


「条件?」


「ああ」


ラルウィルはそこでくいっと赤ワインで喉を潤した。


「例えば動物。彼らは特殊な部分があって、それを狩りで役立たせたりするだろう?それが空を飛べる事であったり、角であったり、毒であったり。その代わりに彼らは生きる寿命を制限された」


セシルはコクっとうなづきながら話を聞いている。

まるで何か分厚い本の一部を聞いているようだ。